アトピー性皮膚炎は、良くなったり悪くなったりをくりかえす、かゆみのある湿疹を主病変とする疾患です。多く方はアトピー素因を持っています。

※アトピー素因とは

家族や本人に気管支喘息、アレルギー性鼻炎・結膜炎、アトピー性皮膚炎がある
または
IgE抗体を産生しやすい性質のことを言います。

アトピー性皮膚炎の特徴

1. 皮膚のバリア機能の低下
   皮膚の乾燥がみられます
2. アレルギー炎症
   アレルゲンが皮膚に侵入しやすく、炎症がおこりやすくなります。
3. かゆみ
   かゆみに過敏になります

診断は

1. かゆみ
2. 湿疹病変の特徴的な分布
3. 慢性・反復経過

を満たす場合にされます。

そのほか、鳥肌様皮膚、血清IgE値の上昇も参考項目です。

治療方法は

薬物療法とスキンケアが基本です。
抗炎症外用薬のうちステロイド外用薬とタクロリムス軟膏を症状にあわせて使用し、皮膚炎を鎮静化します。
かゆみに対して抗ヒスタミン薬の内服を補助療法として使用します。
乾燥した皮膚に保湿外用薬を使用し、低下した角層水分量を改善し、皮膚バリア機能を回復させます。

シャンプー、せっけんなどのすすぎ残しや過度の使用で悪化することがあります。また、唾液や汗は洗い流すか、濡れたやわらかいガーゼなどでふき取る。刺激の少ない衣類の選択、髪の毛があたりにくいようにする、爪をのばさないなど日常生活の工夫が必要です。

顔面の皮膚症状が強い場合、眼の疾患を合併しやすいため定期的に眼科受診が必要です。
（日本皮膚科学会　アトピー性皮膚炎診療ガイドライン2016年版をもとに作成）