高槻やまもとクリニックでは病気への診療はもちろんですが、患者さんご自身に病気の原因や症状についてご理解頂き、ご納得して治療に取り組んで頂くことこそが治癒に向けた最短の近道であり、薬の使用を最小限に抑えることができ、体への負担にも医療費の抑制にも貢献できると考えております。
そこで「病気への理解を深めて頂くための取組」として、当院では下記のような取組を行っています。一般的な耳鼻咽喉科ではまだまだこのような取り組みはされておりませんが、当院の取組が全国の医療機関に広がり、患者さんの理解に基づいた診療が広がってゆけばと願い、取組を進めております。
耳鼻咽喉科は「待ち時間の対策」と「患者さんへの説明時間の確保」という相反する2つの課題に頭を悩ませられる診療科目です。
患者さんの待ち時間を減らすべく、お一人お一人のお話をあまり聞かず、しっかりと説明を行わずに処置と処方だけを決めてしまえば診察は早く進み、お待たせすることも少なくなるでしょう。しかし本当にそれで医療と言えるのか?という疑問が残ります。
一方で「患者さんへの説明時間の確保」を重視し、お一人お一人のお話をじっくりと聞き、懇切丁寧に説明を行うことができれば医師としては非常に充実した診療が行えるのですが、待ち時間が数時間にも及び、夜の9時や10時になってもまだ診察に呼ばれない、ということは現実的ではありませんし、患者さんもお困りになるでしょう。ましてや、それだけお待たせすることは私としても申し訳が立ちません。
それらの2つの課題を解決するために当院で採用しているのが
です。
事前問診システムについては、症状を勤務経験が豊富で病状を熟知したスタッフが病状をお伺いし、患者さんのお悩みを予め詳細に記録いたします。(病状に応じて他の患者さんに聴こえない為の専用のカウンセリングルームを使用致します。)
その上で、医師はその情報を基に再度患者さんに診察室にて問診を行い、患者さんの訴えを漏れることなくお伺いするようにしています。また、特にお年寄りの方に多い傾向ですが、ご自身の病状をドクターに話そうと思ってもいざ診察室に入ってしまうと緊張してしまい、思っていたことの半分も伝えられなかった、ということをよくお聞きします。事前にお話をお伺いしておくことで、そのような患者さんのお悩みも解決でき、ご好評を頂いております。
診察終了後にiPadを用いて病気の説明を行っています。自動的に病気に対する説明がイラストと共に流れ、気軽に病気への理解を深めて頂くことができます。
耳鼻咽喉科の中で例えばめまいや滲出性中耳炎など、場合によっては完治までお時間がかかり、その病気への理解がなければ必要以上に不安に感じてしまう病気については、診療後に関しても、病気を熟知した専門のカウンセリングスタッフが、病気の原因や医師の患者さん個々への診療方針を再度時間をかけてお伝えしています。このようにすることで、病気への理解が深まると共に、漠然とした不安を和らげることができ、安心を得て頂くとともに治癒意欲を向上させる効果があります。
(もちろん、フォローを行うスタッフは医師ではない為、医療行為は行えません。病気に対する見解等についてのご質問は再度医師に確認をした上でお答えする形になります。)
患者さんの病状や今後の治療方針などについては診察時に医師より患者さんにお伝え致しますが、一部ではご緊張をされている場合もあろうかと思いますが、お伝えした内容のかなりの部分をお会計時には忘れてしまっている場合が多いようです。
例えば副鼻腔炎など、病気によっては治療方針をしっかり理解することが治癒の為に大変重要になってくるものもあり、「いかに病気について記憶に残して頂くか?」を考えることは治療を担う我々にとって大変重要なことなのです。
そこで当院では、それぞれの病気ごとに原因や症状、治療方針などを記載した情報提供冊子を配布し、患者さんがそれぞれの病気に対して関心を持っていただき、治癒に向けた正しい知識を得て頂くことで、少しでも早い完治へのサポートを行っています。
こちらは各疾患について
などを、当院の院長が診療方針に基づいて作成したオリジナルの冊子です。
こちらはお持ち帰り頂けますので、患者さんご自身が病気への理解を深めて頂くとともに、ご家族にもその病気についての知識を得て頂くことが可能となっています。
一人で受診される小中学生のお子様やお年寄りの方が受診した後、ご家族もこの冊子を通じて病気について知って頂けるため、ご好評を頂いています。